LAND-BASED AQUACULTURE / RECIRCULATING AQUACULTURE SYSTEM

陸上養殖の課題を解決する
循環ろ過システムとは

生物ろ過・脱窒・泡沫分離を組み合わせた閉鎖循環式陸上養殖の実践知

陸上養殖(閉鎖循環式養殖)が注目される理由

天候や海況に左右されず、都市近郊や内陸部でも安定した生産が行える陸上養殖は、水産資源の確保と食料安全保障の両面から関心が高まっています。海面養殖と異なり赤潮や台風などの自然災害リスクを受けにくく、水温や水質を管理することで生育スピードや品質をコントロールしやすいことも特長です。

一方で、陸上養殖は水を繰り返し使う「閉鎖循環式」であるがゆえに、水槽内に蓄積する老廃物やアンモニア・硝酸をいかに効率よく処理するかが生産性を左右します。この水質管理の仕組みづくりこそが、陸上養殖の成否を分ける最大のポイントです。

陸上養殖でよくある課題

閉鎖循環式の水槽で魚介類を育てる際、多くの生産者が次のような課題に直面します。

ろ材の目詰まりと洗浄の重労働
目詰まりしやすく、頻繁な洗浄が現場の大きな負担になります。
硝酸の蓄積による成長阻害
生物ろ過だけでは硝酸が蓄積し続け、成長が鈍り生産性が上がりません。
水槽の泡立ち・濁り
タンパク質や微粒子が蓄積し、水槽が泡立ち・濁って水質が悪化します。
専門知識・人手への依存
水質管理に専門知識が求められ、担当者の負担や人件費が増えます。
廃棄物・交換コスト
耐久性の低いろ材は劣化・破損が早く、交換コストが増加します。
負荷変動への対応
給餌量や個体数の変化に追従できず、水質が不安定になりがちです。

一般的な循環ろ過システムとの比較

陸上養殖の循環ろ過システムは構成する設備によって、日常の手間やランニングコストに大きな差が生まれます。バイオコード(生物ろ過)・間欠式好気脱窒装置・KA式泡沫分離装置を組み合わせた閉鎖循環型陸上養殖システムと、一般的な循環ろ過システムを比較しました。

比較項目 KA式陸上養殖水質浄化装置 一般的な循環ろ過システム
ろ材の目詰まり 優位バイオコードは目詰まりしにくく洗浄頻度を削減 発生しやすく、定期的な洗浄が必要
洗浄作業の負担 優位軽量なひも状ろ材で洗浄しやすい 重いろ材の洗浄が重労働になりやすい
硝酸対策 優位間欠式好気脱窒装置で低濃度に維持、硫化水素の発生なし 脱窒処理がなく蓄積しやすい、または嫌気処理で硫化水素のリスクがある
水槽の泡立ち・濁り 優位KA式泡沫分離装置で微粒子を除去し、メンテナンスが容易で水が減りにくい 一般的な泡沫分離装置だとメンテナンスの頻度が多く、水も減りやすい
必要な専門知識 優位操作がシンプルで専門知識は不要 水質管理に専門技術者を要することが多い
耐久性・廃棄物 優位耐久性が高く廃棄物を削減 ろ材の劣化・交換頻度が高くなりやすい

KA式陸上養殖水質浄化装置を構成する3つの設備

TBRでは、泡沫分離・生物ろ過・脱窒という3つの機能を組み合わせることで、陸上養殖の水質を安定させるトータルソリューションを提供しています。

KA式泡沫分離装置

高性能な気泡供給機により大量の微細気泡を発生させ、30μ以下の微粒子まで除去します。酸素供給や炭酸ガスの除去も同時に行えるため、水質の安定に直結します。負荷変動にも素早く追従し、目詰まりしない気泡供給機のため清掃の手間も省けます。

ひも状ろ材「バイオコード」による生物ろ過槽

組紐ロープの製造技術を応用したひも状ろ材「バイオコード」は、目詰まりしにくい構造で洗浄頻度を大幅に減らします。軽量で洗浄しやすいため重労働から解放され、耐久性の高さから廃棄物の削減にもつながります。何より圧倒的な硝化速度により、安定した水質を実現します。

間欠式好気脱窒装置

生物ろ過だけでは処理しきれない硝酸を、間欠式好気脱窒装置が低濃度に維持します。脱窒基質にはV-Cel(ビーセル)を使用し、硫化水素が発生しないため安全性が高く、操作も簡単で専門知識を必要としません。飼育水と同じ環境で処理できるため、無駄がなく低コストで運用できます。

閉鎖循環型陸上養殖システム導入で得られる効果

洗浄・メンテナンスの手間を削減
ろ材が目詰まりしにくく、気泡供給機も清掃の手間が省けるため、日常の作業負担が大きく減ります。
硝酸を低濃度に維持し成長を促進
好気脱窒装置により硝酸蓄積のリスクを抑え、成長不良や生産性の低下を防ぎます。
水質の安定化
泡立ちの防止、透視度の改善、溶存酸素濃度の上昇など、複数の指標で水質改善が見られます。
専門技術者がいなくても運用可能
いずれの設備も操作がシンプルなため、専門知識がなくても安定した運用を継続できます。
  • ろ材の洗浄にかかる人件費・作業時間を削減できる
  • 硝酸蓄積による生育不良・歩留り低下のリスクを抑えられる
  • 水質が安定することで、仕入れや投入数を増やしやすくなる
  • 耐久性の高いろ材により、廃棄物・交換コストを抑えられる
  • 専門技術者への依存が少なく、現場の運用コストを抑えられる

導入実績

Case Study — 車えび陸上養殖施設

クルマエビ陸上養殖施設

飼育水槽の泡立ちと濁りがひどく、クルマエビの生育が悪いとのご相談から、KA式泡沫分離装置を導入いただきました。

上昇
pH
上昇
溶存酸素濃度(DO)
改善
透視度

タンパク質除去によりアンモニア負荷が減少して泡立ちが防止され、浮遊物質の除去によりろ材の洗浄頻度も低減しました。泡の除去作業が無くなり、作業が軽減されたとのお喜びの声をいただいています。

Case Study — バナメイエビ陸上養殖設備

バナメイエビ陸上養殖設備

低塩分濃度(約1%)という特殊な環境下でもKA式泡沫分離装置を導入し、泡の発生・排出を安定的にコントロール。あわせてバイオコードを利用した生物ろ過槽も併用し、生物ろ過と泡沫分離の両面から水質を管理しています。

Case Study — カニの活魚水槽

カニの活魚水槽への導入例

豊洲の卸売業者から、既設の泡沫分離装置を使うと水が減って一晩で水槽が空になるとのご相談を受け、KA式泡沫分離装置を導入いただきました。1か月のテストで水槽内の泡立ちが無くなり、かつ水がほとんど減らないことから実機採用に至りました。

導入後は、カニが殆ど死ななくなり、価格が安い時期に仕入れを増やせるようになったので利益が出るようになったとお喜びの声をいただきました。弱ったカニもKA式泡沫分離装置を使った水槽に入れると生き返るそうです。
— 導入先卸売業者様の声

参考導入事例

アユ種苗生産設備(揖保川漁業協同組合「あゆあかちゃんセンター」)

0t飼育水槽のろ過槽にバイオコードPP+K-45を採用。

ウナギ循環浄化実験設備(静岡県 閉鎖循環型養殖実験水槽)

泡沫分離槽とろ過槽を組み合わせ、ウナギ特有の粘液も泡沫分離により除去。

アワビ陸上養殖設備(愛知県蒲郡市「あわびの陸上養殖プロジェクト」)

KA式泡沫分離装置と間欠式好気脱窒装置を組み合わせたシステムフローで飼育水槽を管理。

関連商品カタログ参考導入事例

KA式泡沫分離装置と間欠式好気脱窒装置を組み合わせたシステムフローで飼育水槽を管理。

陸上養殖の水質管理、まとめてご相談ください

陸上養殖の水質管理は、生物ろ過・脱窒・泡沫分離のいずれか一つだけでは十分な効果が得られません。TBRでは、ひも状ろ材「バイオコード」を中心に、間欠式好気脱窒装置・KA式泡沫分離装置を組み合わせたトータルなご提案が可能です。既存設備の課題や導入のご相談は、お気軽にお問い合わせください。

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